『メンタリスト』The Mentalist  文庫本を読むように全151話を見続ける


サイモン・ベイカー(Simon Bakerが演じるのは、元霊能者の犯罪コンサルタント。妻と娘を殺した連続殺人鬼レッド・ジョンを追うため、カリフォルニア州捜査局(通称CBI=架空の団体)に協力、人間心理を巧みに操りながら様々な事件を解決してゆく。

アメリカCBSの大ヒットドラマで、シーズン7がファイナル。レッド・ジョンを捕えるという大きなテーマはあるものの、全151話は基本的に単発の事件を解決していくという体裁を取る。なので、大部の短編集を読むように各エピソードを楽しめる。

このドラマの売りはやはり、パトリック・ジェーンを演じるサイモン・ベイカーの魅力だろう。妻と娘を殺された過去を持ちながらも、魅力的な笑顔を振りまきつつ、難事件をいとも簡単に解決してゆく。まわりの同僚たちは、いたずら好きな彼に振り回されるが、なぜか憎めない。なぜなら、いつも彼の方が正しいからだ。

“現代版コロンボ”と言われるだけあって、毎回肩の力を抜いて、ストーリーに付き合える。陰惨な被害者の死体も、ここでは単なる記号である。だがレッド・ジョンだけは別格で、物語がいったんそちらを向くと、ドラマは俄然シリアスになる。そのメリハリが絶妙なので、視聴者はシーズンを超えて見続けることになる。

MacBookiPhoneで、海外ドラマを見続ける習慣ができたのは、このメンタリストがきっかけだ。最初はTSUTAYAレンタルのDVDで、海外出張の飛行機の中で見続け、眠れない夜にベッドの中で見続け、NetFlixに加入してからは、電車の中でも見るようになった。

まるで、文庫本で読んでいる気持ちになるのは、そのためだ。シーズン7まで続く長大な海外ドラマは、いつもの帰る場所であり、精神的な落ち着きを与えてくれる。今日の殺人事件はどんなだろう? という興味や期待が、過不足無く満たされ、謎を解き明かすトリックが、適度に脳を刺激してくれる。要するに、安心安全なのだ。

シーズン7がファイナルシーズンなのだが、NetFlixではまだシーズン6までしか配信されていない。だから、パトリック・ジェーンと上司であるテレサ・リズボンの恋の結末がどうなるのか、(もうわかっているけれど)見届けられていない。早く配信してほしい。

ちなみに、シーズン6の最終回が、「カリフォルニケーション」の最終回と、まったく同じシチュエーションでの愛の告白だった。まさか同じセットで撮影されたのか? と勘ぐりたくなるほど似ているのだが、希代のモテ男、サイモン・ベイカーとデイヴィッド・ドゥカヴニーの演技力を見比べることができるので、それはそれで興味深い。







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