『ゲットダウン』The Get Down 1話しか見ていませんが何か?


70年代後半、ヒップホップの黎明期を描いているとのことで、その頃のブラックミュージックが大好きな私は早速このドラマに飛びついた。だが、監督がバズ・ラーマンということを知り、一抹の不安も抱いた。彼は白人だし、作風がポップすぎる、軽すぎる。

蓋を開けてみたら、やはりラーマンらしく、きらびやかで、カラフルで、ポップで、テンポがいい。ストーリーは、うぶだけどライムの才能のある少年が、やはりうぶだけど歌の才能があって美しい少女と恋をし、仲間と音楽を始め、大人の階段を上る(笑)というもののようである。当時の荒れたサウスブロンクス、ディスコ、衣装を(たぶん)大金をかけて再現、音楽と相まってミュージカルのようなゴージャスさがある。

しかし、ラーマンの演出は残念ながら私の好みではなかった。好み云々は抜きにしても、このドラマのキモは、韻を踏んだリズミカルなセリフにあると思うのだが、ほとんどの日本人はそれを堪能できないだろう。せめて、黒人音楽をよく分かっている監督、例えばスパイク・リーとか、タランティーノとか、あるいはMVディレクターのHype Williamsあたりが演出していれば、映像・音楽共により「黒っぽさ」が出たのではないだろうか? ラーマンの演出は万人受けしようとして失敗しているようにも感じるのだが… ちなみに、白人のヒップホップスター、エミネムを描いた「8 Mile」は傑作だったが、監督はやはり白人のカーティス・ハンソンである。

2話以降は、ヒマで死にそうなときにでも見てみようかと思う。いつのことになるかわからないが。


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