
ラジオから流れる能天気な音楽が、キラキラした粒になって部屋の中を漂い、笑いがとまらなくなる。友だちとはテレパシーが通じたし(何語で会話していたのか覚えていない)、ハイになって繰り出す夜の街は、まるでフェリーニの映画のように幻想的だった。
なので、もちろん法治国家である今の日本では許されないが、高樹沙耶さんが築こうとしていたユートピア世界への希求も、わからなくはない。「ハイ・ライフ」は、そんな彼女に是非見てもらいたいドラマである(もう見ているかも)。

チェーン展開の計画を熱く語る息子。その計画をじっと聞いている従業員。「で、君の意見はどうだい?」と聞かれた従業員の答えは、「ごめん、聞いてなかった」。葉っぱの世界はそんなふうに率直で、限りなく平和だ。たぶん、戦争なんて起こらないだろう。

と、いうようなことを夢想してしまうドラマであり、個人的には日本のキャシー・ベイツ、樹木希林さんに、千駄ケ谷辺りで“マリファナ薬局”を開いてもらいたい。そしたら毎週通うだろうな。いつか、そんなご機嫌な世の中になることを願う。ラブ&ピース。
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