
ー7話全てを見終わって改めてわかったのは、評価が高いクリエーターが作った評価が高い作品だからといって、必ずしも私が面白いと思うわけではないということだー
それなのになぜ最後まで見てしまったのか?やはりこの脚本家の術中に嵌ってしまったのかもしれない。オチがどうしても気になったのだ。
このドラマに一応主人公はいるが、実際は群像劇である。強盗団から逃げ出した流れ者(主人公)、強盗団、流れ者をかくまう家族、事故で男たちの大半を失ってしまった女ばかりの町の住民。こうした人々の物語が互いに絡み合い、影響し合いながら、最終話に向け収束していく。スコット・フランクはさすがハリウッドで長年第一線で活躍している脚本家だけあって、複雑な話を見事に紡ぎあげている。
彼が優れた脚本家なのはよくわかった。しかし、演出家としては残念ながら優れているとは言い難い。
非常に冗漫でテンポが悪い演出だった。このドラマを7時間もかけて撮る必要性はまったく感じない。2時間半くらいに短縮できるはずだ。つまり、編集がまずく、独りよがりのシーンが多いということだ。
それに加えて、1箇所初歩的なミスを見つけてしまった。ずぶ濡れになった次のカットで服が乾いていたのだ。ソダーバーグがエグゼクティブ・プロデューサーを務める大作で、これは酷い。
(ここからちょっとネタバレ)また、クライマックスの銃撃シーンは、ペキンパーの「ワイルド・バンチ」を思い起こさせる設定なのだが、そこまでのキレはない。ペキンパーと比べるほうが酷なのだろうか? なにせ、ペキンパーという人は編集センスの塊みたいな人だから。
演出には不満足だったが、素晴らしい役者がそれを補ったことは付け加えておかなければならない。強盗団の親分を演じたジェフ・ダニエルズが秀逸だった。なんか見たことあるなーと思いつつ、髭を蓄えていた上、極悪な役だったので、彼だとは気付かなかった。ジェフ・ダニエルズの名演技を見たい人には間違いなくお勧めできるドラマである(苦笑)
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