Netflix水曜はじまり日記 Vol.2

 3月28日・水
 巣鴨から吉祥寺への移動中、『シャーロック』シーズン1の第1話を見始める。言わずと知れた名作だが、食わず嫌いで見ていなかった。冒頭の1分で、これは良いドラマだとわかり、中毒性があることも自覚する。テンポが小気味良い。半分ほど見て、電車を降りる。吉祥寺は自分にとってかつてのホームグラウンドだが、近ごろは自由ヶ丘化していて違和感がある。およそホームズが活躍しそうにない、陰影のない白々とした街並だ。

3月29日・木
 六本木から新宿への移動中、『サンタクラリータ・ダイエット』シーズン1の第3話を見る。ゾンビになって人を喰らう妻となっても、愛し続ける夫が健気なのだが、自分がこのドラマの脚本家チームにいたら、早くも煮詰まっていると思う。この話一体どうするの? と心配になるが、まだまだドラマは続く。アメリカ人はやはり肉食なのだ。食にまつわることで言えば、ベーカリー『PAUL』で売っているエスカルゴ・レザンが美味しいことを発見。デニッシュペストリーはフランス直輸入の生地を使用しているらしい。

3月30日・金
 原宿から用賀への移動中、『シャーロック』第1話の後半を見る。ほどよい劇画調で、イギリス英語が耳に心地よい。話を盛り込みすぎないバランスも良く、期待は裏切られない。主人公の相手役はワトソンなので、いわゆるヒロインが見当たらない。二人はゲイなのか? 今日からプロ野球が開幕。今年は地元のスワローズファンになると決めたので、ベイスターズとの試合をBSで観戦。メジャー帰りの青木も打点をあげ幸先よく1勝。

3月31日・土
『グレイス&フランキー』シーズン1の第1話を見始める。こちらは2組の熟年(というか老年?)カップルの離婚がテーマだが、離婚の理由は夫たちがゲイであることをカミングアウトして、一緒に暮らし始めるから。主演はジェーン・フォンダ、夫役はマーティー・シーン。往年の大スターが醸し出すレトロな雰囲気が心地よい。老齢を隠すことなく演技するジェーン・フォンダは格好いい! いまだ現役バリバリで、Netflixのオリジナルドラマに出演すること自体に驚く。なにしろベトナム反戦運動をしていた女優である。シーズン5まで続いている。かなり見応えがありそうだ。
 
4月1日・日
 今日はエイプリールフール、と書くと。いかにも日記っぽい。日曜なのに仕事。仕事の合間にジムで走りながら『ラブ』シーズン3の第2話を見る。ガールフレンドのミッキーが仕事絶好調なのに、ガスは仕事場で皆が自分の悪口を言っているのを聞き、むしゃくしゃして車を派手にぶつけてしまうが、何事もなかったように振る舞うという今回もトホホな展開。ちっぽけなプライドが涙を誘う。岩波現代文庫で新藤兼人の『「断腸亭日乗」を読む』を読んでいる。ちなみに100歳で亡くなった新藤兼人の遺作は、99歳のときの作品だ。ジェーン・フォンダの活躍もそうだが、“古い映画人”の生き抜く力に感嘆する。

4月2日・月
 いろいろ忙しくNetflixを見ない日だった。こんな日もある。新藤兼人が脚本家の立場から、こんなことを書いている。「たとえば“歩いて行く”といったら、後ろ姿なんです。“歩いて来る”といったら前から写している。“歩いている”といったら、横からの観察、シナリオというのはそういうことを伝えようとして書くわけです」。なるほどと思う。

4月3日・火 

 新橋から新宿への移動中、『ブラックリスト』シーズン2の第17話を見る。アメリカのこの手のドラマの予定調和的な話の展開に、やや飽きて来た。今回はとくに展開がベタで、ジェームズ・スペイダーの“どや顔”が控え目だったせいかもしれない。常に後手を踏むFBIの間抜けさ加減にもうんざりするが、テキパキ事件を解決したらそれはそれで話が続かなくなるので、仕方がないのか。仕事のためビジネス書を大量に読む必要があり、これもまたうんざりする。この手のほとんどの書籍は、要点がほぼ1ページに収まると思う。

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