Netflix水曜はじまり日記 Vol.4

4月11日・水
 夕方、やっと事務所にたどり着く。移動中に『シャーロック』シーズン1の第2話の後半を見ていて、一駅乗り過ごして引き返す。第2話は、謎解きが強引過ぎていまいち。引き続き、新藤兼人の『「断腸亭日乗」を読む』を読んでいるのだが、その中に終戦間近、関西に疎開した谷崎潤一郎の記述がある。原爆が投下され、空襲が相次ぎ、世の中が騒然としている中で、『細雪』を書いていたという事実に驚く。戦時体制にこんな小説はけしからん、と当局から執筆停止をくっていたにもかかわらず。

4月12日・木
 時間はつくるものと言うけれど、その時間をつくる時間がない。東京地裁のロビーで、『ブラックミラー』シーズン2の第4話「ホワイト・クリスマス」を少し見る。名作ドラマ『マッドメン』で、エミー賞の主演男優賞を取ったジョン・ハムが出ている。この人の低音の声は独特で、不思議な魅力がある。顔もレトロで独特なのだが。人が成功する理由の半分は声にあると常々考えているので、このドラマはそれだけで十分に魅力的だ。

4月13日・金
 昼間はランチを食べる暇もなく。ぐったり疲れる。夜、事務所の月イチ開催の「Bar」で飲む。飲み物や食べ物は各自持ち込み。むかし小学校の校門の前で、色のついたヒヨコを売っていたおじさんがいたという話で盛り上がる。どんだけ昔なのか。帰り道、『ブラックミラー』の昨日の続きを“細切れ”で見る。こんな調子なので、なかなか見終わらない。 

4月14日・土
 秩父宮でサンウルブスの試合。惨敗。サッカー日本代表のように監督が選手たちをマネジメントできていない? ラグビーW杯は来年なのに。世界と言えば『池澤夏樹の世界文学リミックス』(河出文庫)を読み始める。この人の書くものは、何故かあまり印象に残らない。が、今回はその本の中で紹介されていた、バルガス・リョサの『楽園への道』を読みたくなった。ゴーギャンと祖母の話らしい。へえ。

4月15日・日
 ランドリーの乾燥機の前で、『ブラックミラー』シーズン2の第4話をようやく見終わる。1話完結のドラマだが、英国らしく各話とも皮肉さに満ちている。このドラマのテーマは要するに「近未来、テクノロジーの進化で、人生は豊かになるのではなく、逆に追い詰められる」というものだ。現実ですら、パソコンやスマホの進化で仕事は楽になるはずなのに、逆に忙しくなっている。なぜ人間は、人間性を奪うものを進化と呼ぶのか? 

4月16日・月
 最近、複数のドラマを並行して見ているため、気が散ってストレスを感じている。少なくとも1シーズンは見続けよう、と反省。なので、まずは『ブラックリスト』のシーズン2を最後まで見ようと決意。シーズン2の第18話を見る。しばらくブランクがあったので、誰が“黒幕”なのか混乱してしまうが、気にしないで見よう。

4月17日・火

 朝から都内や埼玉をあちこち移動。満員電車にめげずに『ブラックリスト』シーズン2の第19話を見始める。メインのストーリーが動き出したので、イッキ見の機運が高まる。やはりドラマは続けてみないとダメだと再認識する。ここにきて主人公の出生の秘密、つまり物語のセントラル・ミステリー(秘められた過去の謎)に焦点が移り、物語が加速し始める。家に戻ってからも、引き続き第20話を見る。アメリカでは持続力のあるドラマ企画を「has legs(脚がある)」と言うらしいが、まさにそんな感じだ。

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